Vol.4
Vol.4

年度更新とは、労働保険料(※1)を毎年4月1日〜翌年3月31日までの1年間にすべての労働者に支払われる賃金の総額(※2)に、事業の内容ごとに定められた料率(※3)を乗じて算出し、その保険料を申告・納付することをいいます。

※1 年度更新の際に支払う労働保険料とは、労災保険と雇用保険とを総称したものです。
※2 雇用保険については高齢免除者・短時間労働者の賃金は除きます。
※3 雇用保険料率は、(事業主負担 + 従業員負担)

一般の事業(保険率 15.5/1000 事業主負担率 9.5/1000+従業員負担率 6/1000)
建設の事業(保険率 18.5/1000 事業主負担率 11.5/1000+従業員負担率 7/1000)
労災保険料率は、(全額事業主負担)事業の種類の分類に応じて3/1000〜103/1000まであり。(労災保険率表による)

なお、この年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までの間に行わなければなりません。手続きが遅れますと、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)を課すことがあります。

 労働保険料の算定基礎となる賃金についてのポイント

○  年間に支払われる賞与や通勤手当・休業手当も賃金に含みます。
○  休業補償費・祝金・慰労金・解雇予告手当・出張費(実費弁償的なもの)等は賃金には含みません。
○  役員に支払う役員報酬も賃金には含みません。
○  出向労働者の賃金は労災保険では、出向元で支払われている賃金も含みます。

 労働保険料の使い道は?

雇用保険は従業員が退職した → 失業給付・就業促進手当・教育訓練給付金
     従業員が出産した → 育児休業手当
  会社が休業する → 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)
  会社が従業員を雇用した → 特定求職者雇用開発助成金など

労災保険は、労働者が業務上、または通勤によって負傷したり、病気・死亡された場合に被災労働者や遺族の方に必要な給付(療養・休業の給付、傷病・障害年金の支給、遺族年金、埋葬料、介護給付)、及び二次健康診断等給付が受けられます。このように、労働保険は事業主・従業員にとって毎日安心して働けるように様々な給付、補償が受けられる保険ですので、毎年必ず保険料を申告・納付しなければなりません。

 労働保険料を納付しないとどうなるの?

雇用保険の場合は、上記の従業員に対する給付、会社に対する各種助成金は一切受けることが出来ません。労災保険の場合は、

(例)従業員(1日分の賃金が約1万円)が労災事故が原因で死亡し、遺族に対し労災保険から遺族補償一時金の支給が行われた。
※故意に労働保険の加入をせず、保険料を申告していなかった場合
遺族補償一時金の額(10,000円(従業員の賃金日額)×1,000日分)×100%=10,000,000円

費用徴収の額は1000万円となり全額会社が支払うこととなってしまいます。


労働保険事務組合・特別加入について

 ここまで雇用保険・労災保険について触れてきましたが一般的に事業主は労災保険に加入することが出来ません。事業主ご本人が作業されている場合においても同様です。そこで私たちがご案内させていただいているのは労働保険事務組合への加入です。

 労働保険事務組合とは事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務を処理することについて、厚生労働大臣の認可を受けた中小事業主等の団体です。労働保険事務組合への事務処理委託のメリットとして挙げられるのは、

1.労働保険料の申告・納付等の労働保険事務を事業主に代わって処理しますので、事務の手間が省けます。
2.労働保険料の額にかかわらず、労働保険料を3回に分割納付できます。
概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上でなくても分割納付が可能です。
3.通常労災保険に加入することができない事業主や家族従事者なども、労災保険に特別加入することができます。

 3にある特別加入の制度が前段で述べた事業主ご本人の労災への加入できる点が多くの事業所が事務組合へ加入して頂いている大きな理由です。また、労災保険の手続きは労働基準監督署・ハローワークを相手として複雑で分かりにくいものも多くあります。当事務所は労働保険事務組合も兼ねた社労士事務所として、事務組合への入会から申請手続きまで、責任を持って行っています。ご不明な点はお気軽に当事務所、当事務組合(愛和経営労務協会)へご相談ください、よろしくお願いします!

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